灯に群がる虫に意思は無い。本能に動かされているだけ。
深夜、私はコンビニへ行き金を下ろす。明日の朝、起きてすぐパチンコを打つ為だ。
依存症とは恐ろしく、辞めようとする意志に抗うことが出来ない。
数学など私の前では根拠にならず、目の前にあるのは決まりきった不運と不幸だけ。
それを分かっていながら私は明日の朝パチンコを打っているのだろう。
虫と同等・・・?
失礼した、彼ら?彼女?らは本能に従い未来へと命を紡いでいる。
意味のある生涯を送っているのだ。
私の無意味で空虚な人生とは全くもって違う。虫様どうかお許し下さい。
店に入れば、外の夜と店の灯りで窓ガラスに自分の姿が鮮明に映っていた。
生気など微塵も感じさせない。
刻まれた皺には含蓄など皆無。ただ容姿を衰えさせるだけの線として存在している。
最後に本心で笑ったのはいつであったか。頬は重力に従い空っぽの頭と共に地面に向かって垂れている。
店を出れば道路が、川が、建物が目に入る。
道路では車に轢かれて死ぬことを考え、川では溺死することを考え、建物を見れば飛び降りることを考えた。
文章の終点が見つけられない。眠い、このまま永遠に目が覚めなければ良いのに。