運の悪い男の日々

人生,労働,不運,金

切腹

何もかもを諦め、辞め、生命を維持するためだけに働き、日々、次の休日まであと何日・・・と、休日など来ても特にすべきことも無いのだけれど、毎日が乗り越えなくてはならない壁のような生活を送っている。

まだ二十数年の僅かな人生ではあるが、その僅かの中では間違いなく今が底辺だろう。

人間として生きる上で避けることのできない"その程度"の痛みに私は涙を流している。

その年で諦めるにはまだ早い、と怒られてしまいそうだが、少なくとも今の私にはその言葉を信じる根拠もなければ、縋るだけの気概もない。

 

仕事を終え帰宅する。

営みに憧れた私はもういない。潔癖か何だか分からないが、労働の空気を纏った服が酷く汚れたように感じられ、いつも玄関で服を脱いでしまう。それで済めば良いのだが、皮膚も、それに被さる頭髪も、指先の爪も指紋も全てが汚れているようにしか見えない!

私は湯で体を流すことにした。

その後、私はノートパソコンを開き、あてもなく動画を観ていた。その動画に至るまでに何を観ていたのかは記憶がない。私はある動画に出会った。

その動画は日本にかつて存在した侍の風習''切腹''に関する動画だった。切腹とは死罪に相当するも死罪とは明確に区別された名誉ある死だと言う。

当然、この動画によって得た知識ではなく、元々知っていた知識ではあるのだが、過去の私が受けた印象と今の私が受けた印象は重ねることが出来ない程に異なるものであった。

死への憧憬。

もうこれ以上は・・・。

私はーーしたいのかもしれない。